コート上の監督の役割の難しさ

「チームには、自分のバスケットボール観をしっかり持った選手、我の強い選手が集まるので、彼らをまとめていかなければいけない難しさは確かにありますね。またポイントガードが不安になると、チームが動揺してしまう。ですから冷静さを維持することが求められるんです」

個性ある集団を束ねるのは、至難の業ではないですか?

「企業でも同じだと思うのですが、1人が活躍して100点取れたとしても、問題のレベルが上がれば、個人の力では打破できないことが出てくる。どんな状況下でも、チームで1点ずつ取る方が、目標達成の確率は高くなるのではないでしょうか。

だからこそ僕は、チームとしてまとまるというところに重きを置き、仲間の特徴や動きを研究して、それを実際にプレーの中で活かしたいと考えています。練習を通して、個々の選手の動き、ドリブルの特徴、得意のパス、シュートタイミングなどを自分の頭の中に入れるようにしているんです。

お互いを知るために話し合いますし、プレーの途中でも、動きを止めて納得するまで確認し合ったりします」lチームを勝利として活躍する五十嵐選手ですが、ご自身が思うプロフェッショナルの条件とは?

「その道の模範となる人間であることですかね。子どもや同じくスポーツをする人の目標にならなければいけないと思っているんです。プロスポーッ選手である前に、まずは人として恥じることのない行動や態度を取るように気を付けています。プロ意識はそこから醸成されるものだと思うし、プレーの姿勢にも表れると思う」

プロといっても、その道は険しく、レベルの高い鍛錬をし続けなければならない。しかし、その世界の一線の競技者として、また伝道師としての自覚を持った五十嵐選手の顔は実に清々しい。そんな彼の、今一番の趣味はというと「人と会うこと」。

バスケットボールだけでなく、幅広くアンテナを張り巡らす。人を知り、人から教わること、それが目標達成のためには欠かせない要素なのだと教えてくれた。